堆肥はどうしていますか?
みなさんガーディニングや家庭菜園を行うのに、ホームセンターなどで堆肥を購入してませんか?
堆肥は簡単に作れるって知ってましたか?
それも身近にあるもので作れるのですよ!
堆肥を知ろう!
6つの基本知識を知っていれば、簡単に楽しく堆肥が作れますよ。
堆肥の作り方には、大きく分けて2種類ある
実は、堆肥の作り方には、2種類あるんです。大きく分けると好気性発酵と嫌気性発酵に分かれます。
好気性発酵とは、空気を取り入れながら発酵をしていくもので、
嫌気性発酵とは、空気を遮断して発酵していくものです。
好気性発酵は空気を取り入れながら、発熱し発酵をしていきますが、嫌気性発酵は専用の密閉容器やメタンガスなどが発生するため、処理装置も必要とのことです。
家庭で行うなら、必然的に好気性発酵ですね。
好気性発酵に必要な条件とは
しかし、好気性発酵といっても、発酵中にどんどん発熱し空気と使っていくので、ほっておいてもあまり発酵が進みません。(そのまま放っておくと嫌気性菌が活躍しますが、ゆっくりと発行するので堆肥になるには時間がかかります)
そのため、いくつかの条件が必要になります。
1.水分を調整する
水分を60%程度に調整します。手で握って水が垂れずに、湿っている程度でパラパラと崩れるくらいが調度よいです。水分が多いと、嫌気性微生物が繁殖し、腐敗臭が強くなるので、家庭で作るのには不向きになります。そのため水分には十分に注意してください。生ごみなどの水分を多く含むものは一日天日干しして水分を飛ばすか、おが屑などの水分の少ないものを多く混ぜて調整します。 水分調整やら、天日干しが大変!面倒というかたは、生ごみで作りるを参考にして、生ごみコンポストを作ってみてください。
2.炭素と窒素の比率を調整する
堆肥の素となる材料の雑草や落ち葉、生ごみは自然なものなので、有機物といいます。 有機物には炭素(C)と窒素(N)が含まれています。 この炭素と窒素の割合で発酵を促す微生物の活動性が決まります。 この割合を炭素比やC/N比と言ったりします。C/N比の方がよく使われているみたいです。 C/N比が20より小さい状態(窒素が多い)では微生物が窒素をよく使い分解は早いですが、堆肥化中はアンモニアガスを放出させるので悪臭が発生しますので、注意が必要です。 しかし、肥料として施す時には、即効性が高いです。また土壌改良の点では乏しく、過剰肥料となりやすいので、注意が必要になります。 逆にC/N比が大きい状態(炭素が多い)では、微生物が窒素を取り入れる量が少なく、ゆっくりと分解していき、堆肥になるまでに時間がかかります。また土に施すと微生物が繁殖する際に土中の窒素を使用するため、窒素飢餓となり、作物へ悪影響を与えます。土壌改良材としては高く、団粒構造や保水力などが得られます。空気を含むことで窒素飢餓は次第に改善いていきます。 発酵しきれてなく未完熟な堆肥であったり、大量に使用すると、これもまた窒素飢餓は大きくなり、悪影響になるので注意が必要でず。 堆肥が完成した時にC/N比を20前後とすると、窒素飢餓が起こらないため、堆肥を作る際には、作成中に吸収される窒素分を考えC/N比を25前後にする。 そのためには大まかなC/N比を知っておくといいでしょう。
身近にあるもののC/N比
鶏糞 | 7 |
油粕 | 7 |
生ごみ | 10 |
牛糞 | 16 |
コーヒー粕 | 20 |
米ぬか | 23 |
雑草(刈り立て) | 30 |
雑草(枯草) | 50 |
落ち葉 | 50 |
稲わら | 60 |
もみ殻 | 75 |
剪定枝 | 70 |
おがくず | 200 |
バーク(樹皮) | 300 |
スクロールできます
これを見るとよくわかる通り、鶏糞や油粕は窒素分がとても多く、炭素分が少ないですね。
即効性のある肥料として、畑などに撒きますよね。撒きすぎると肥料焼けを起こします。その理由が窒素がとても多いからなんですね。
逆におがくずやバークはとてもほぼ炭素で出来ていて、窒素がほぼない状態です。なので、そのまま土に返しても、栄養にならず。分解もされにくいんです。その特性を利用して、マルチ(保温と雑草予防)として利用していますよね。
実際に使用する場合は、この数値を参考にして分量を調整して使用していきます。
落ち葉や枯草は炭素分が多いので、鶏糞や油粕、米ぬかなどを入れて数値を調整していきます。また米ぬかは数値的に多く入れても問題がないのと、微生物の好物でもある糖質なので、発効促進に大きく役立ちますので、入れてください。
生ごみを使用する場合は窒素分が多いので、炭素分の多い、落ち葉や枯草、稲わらが必要になりますが、生ごみは水分が多いので、注意が必要になります。
水分が多いと、先ほども説明したように、嫌気性菌が活発になり、腐敗臭などの悪臭が出てくるので、水分の調整が必要になります。
いろいろと難しく考えると大変なので、目安を書いてみます。
実は、
炭素が多いもの:茶色いものです。 落ち葉、枯草、もみがら、段ボールなどの茶色いもの
窒素が多いもの:緑色や糞やカスです。 刈り取った草、剪定した葉(枝は元々炭素が多いです)、米ぬか、油粕など
これを 2:1 で混ぜるだけでも出来ます。やってみて発熱しなかったら、温度か水分か栄養分が足らないので、保温するか、水を足すか、米ぬかを足します。
悪臭が発生したら、炭素材料を大量に入れて、よくかき混ぜることで解消します。
3.空気を調整すると発酵が促進される
好気性発酵は、微生物の活動により発酵させるものです。そこで必要なものがあります。
水
空気
食べ物
食べ物とは先ほど説明したC/N比です。微生物が食べられる要素として、3つが必要になります。
つまり堆肥のもとを食べるのに程よい水分と空気が必要になります。食べた際に発熱もします。後ほど説明しますが、発熱量は大きく60°くらいまで上がります。
発熱と同時に水分と空気を消費しますので、そのままだと足りなくなり、発酵しにくくなります。
そこで、切り返しという行動をします。この切り返しとは、中心部と外側を入れ替え、混ぜることです。
中心部は温度が保ちやすく高温になれるので、発酵が促進するんです。
なので、切り返しすると分かりますが、中心部だけ高温で水分がなくカサカサしています。
そのままだと、燃やす材料不足で熱も冷え発酵が停滞してしまいますので、混ぜることで空気と湿った材料を入れることでさらに、発酵が促進されるのです。
なんとなくわかりましたか?
実際にやってみると、だんだんわかり、コツもつかんでこれると思います。
4.発酵熱を保つようにする
発熱が大事なのは説明したとおりです。その熱を保つのに、人は昔からからいろいろ工夫をしています。
調べてみればわかると思いますが、大きく地面に穴をあけて、保温できるようにしたり。
周りを竹を刺し策として、その策を竹組して隙間に大量に落ち葉を入れて保温したり。
大きく作ることで、中心部の温度を保ったりしていました。
最近ではビニールハウスや専用施設で堆肥を作っているみたいです。
発熱は堆肥の元を食べるために発熱していますと説明しましたが、実際は分解です。
この分解が大まかに説明すると3段階あります。
分解が進みどんどん高温になります。温度により活動できる菌が違いますので、菌の違いで3段階に分けています。また高温になることで、病原菌や寄生虫の卵が死滅します。
よって高温にならないと分解も遅いし、雑菌だらけの未熟な堆肥が出来上がってしまします。
せっかく作った堆肥が作物に悪影響を与えていると知ったらとても嫌ですよね。
なので、温度はとても大事なんです。この温度にするために、水、空気、C/N比を説明させてもらいました。
夏場はこの温度をあまり気にしなくても良質な堆肥ができます。
問題は落ち葉や秋の枯草で作る、冬場の堆肥ですね。場所によっては零下何度まで行く場所ももあると思います。
そういう場所は専門的な施設や器具が必要になるかもしれませんが、雪が降る場所はカマクラを利用するなどの方法もあるようです。
冬の場合は外気に触れたままでは基本無理だと思います。柵や容器づくりというよりは、穴埋め式が妥当と思います。
またビニールハウスの中であれば、日中の温度は保てますので、柵や容器、野積みはできます。
私はビニールハウスで堆肥や栽培がしたくて、自分で建ててしまいました。
外で作って居た頃は大きな穴を庭に堀り、ある程度の深さも必要で、保温材として段ボールで囲ったり、発泡スチロールを使ったり、緩衝材などを入れたりと結構工夫しました。
とにかく、冬の堆肥づくりは、工夫が必要です。
そこで、冬場にやりたいならおすすめなのが、
生ごみならミミズ堆肥や、段ボールコンポストです。
また、落ち葉や枯草なら、段ボールや土嚢袋、発泡スチロール容器を使った堆肥作りです。いずれも、屋外では難しいので玄関や物置などの屋内を進めます。
5.作る量で考えよう!
発熱量を得て維持するために、一番簡単な方法は大量に作り、中心部を外気から守ることです!
一番外側は外気に触れ、放射熱として熱が奪われます。そのため中心部を保つためには量を多くする。
広大な土地や農地があれば可能ですが。家庭で気軽に簡単にやるには無理です。
夏場なら発熱の維持はあまり気にしなくても大丈夫ですが、大きければ大きいほど、切り返しが大変になりますので、自分に適したものから始めるといいと思います。
冬場の堆肥づくりで気軽にやるには、玄関先で行う少量の堆肥づくりから始めるといいと思います。
庭作る場合、多少の工夫は必要になりますが、段ボールや緩衝材、ビニールで熱が逃げないように工夫すれば可能です。また、野積みで放置してそのまま放置して作る方法もあります。時間はかかりますが、1年くらい放置すれば堆肥になってます。(堆肥というより自然分解に近いですが)
6.定期的に換気は行う
微生物の活動を続けることによって、発熱と共に空気と水分が不足してきます。
中心部は高温になりカサカサしていますが、周辺部はしっとり湿ったままで空気も多く含んだママになっています。
この状態を改善するために換気をします。その行為を切り返しといいます。
つまり、空気を水分を取り入れ、細菌の活動場所を広げる事です。
方法は
堆肥の中に手を入れます。熱くて我慢できないくらい=60°以上
このくらいになったら、堆肥を崩し、中心と周辺が混ざるように上と下が入れ替わる様に混ぜていきます。結構な量の湯気が出て草のような土のような堆肥独特の匂いがします。
感動ものですよ。本当に、毎回このために作っているみたいなものです。
熱い!と感じなくてもあまり気にしないでね。冬場は特になりにくい。
でも50度くらいはほしいですね。
換気の時期が少し過ぎてしまうと全体的にカサカサになったり、保温していないで作ると熱と共に水分も外に流れてしまうので中心部以外もカサカサになっていることがあります。
その際には水分量が60%(絞っても水が出ない、湿っている状態)になる様に水を足します。
切り返しの頻度ですが、夏場冬場で違いますが、
概ね夏は1~2週間に一度、
冬な1か月に1~2回程度です。
切り返しが大きければ多いほど発酵が早まり早く堆肥になります。
しかし、重要なのが切り返しの目安です。
切り返しのタイミングは ”堆肥に手を入れて、熱くて堪らないと感じる60℃以上”です。
また切り返しの方法は堆肥を作る容器や方法でいろいろあります。積み上げ式のものは上と下を入れ替える方法であったり、山を切り崩して混ぜる方法、容器ごと回転させて入れ替える方法など様々です。つまりは入れ替えることが切り返しです。
最後に
以上が、好気性発酵で作る堆肥の作り方になります。
この条件を満たすためにいろいろと工夫があり、そのためにいろいろな方法が存在します。
このいろいろな方法を試したり、見つけたり、考えるだけでも結構楽しいですよ。
素材によっても発酵の進み方が違いますので、そんなのも知るのも楽しいかもしれませんね。
一般に桜やイチョウ、琵琶などの葉は栄養分が少なく堆肥には向かないといいますが、個人的には堆肥にするのに発酵しにくいだけで、特に問題ないと思いますが、成分まで調べてないのでわかりません。
特定のものだけより、いろいろ混ぜたほうがいい堆肥になると思っていますの、私が作る堆肥はとてもいろいろなものが混じってます。
とても長い間、お疲れさまでした。
ここまでが基礎的勉強や知識になります。
あとはやってみるだけです。
また分からなくなったら、見直したり、いろいろと工夫してみてください。
ここに書いてあることがすべてではありませんし、間違っているか正しいかはわかりません。
答えは自分でやってみないとわからないのですので。
では、楽しい堆肥生活を送ってください!!
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